マネジメントの世界で長年生きてきて実感します。「2:6:2の法則」は、まあ事実ですね。
それだけなら、「よくできた法則だね」で話は終わります。
しかし世の中、この法則を上手く使えていない会社さんが多いです。それって「人の無駄遣い」なんですよね。凄くもったいないです。
逆にこの法則を活用できれば、経営にとって数多のメリットを生み出すことになります。それはもう、凄い効果です。
「2:6:2の法則」をどう捉えるか。大切ですよ。
社長さん、部長さん、課長さん、係長さん、主任さん。人を管理する方は必見です。
では、始めます。
【結論】下位2割を簡単に切ることは絶対にNG!切るのは断腸の思いで!が正解。
これが正解です。
つまりこれが、会社にとって最も成果を生み出す考え方と行動です。
あと、この法則は「小さなチーム」であっても「大きな組織」であっても関係ありません。
人の集合体がそこにあれば、規模の大小に関わらずこの法則はやってきます。静かに静かに、やってきます。
正解について少し説明しましょう。
「下位2割」を切ってしまうことの弊害
新たな「下位2割」がすぐに出現する
信じられない方は一度やってみてください。
どれだけ人の話を聞くよりも、自分が一度体験する以上のインパクトは存在しませんので。
皆さんは「とても仕事ができない部下」を受け持つことになった時、こんな風に思いませんか?
「この部下本当に駄目だ・・・。何度言っても改善されない。この部下さえいなければ、うちはもっと強くなるのに・・・」
思うことは自然です。
むしろ、「チームを勝たせたい」という皆さんの思いがあるからこそ、そんな風に思うのです。
「チームが負けても良い」と最初から考えるような管理者は管理職失格ですから、上記のように思うこと自体は、素晴らしい管理職になれる才能を示しているわけです。
だがしかし、なのです。
例えば下位2割のメンバーを異動させたり、能力不足を理由に追い込んで辞めさせたりするとどうなるか。
上位グループの中から、新たな下位2割が出現します。
これはもう、間違いなく出現します。理由?法則だからです。伊達に研究されていませんよ、法則というものは。やはり、人間の本質的な習性を表しています。
下位2割がいなくなるまでは頑張っていた人たちが、人が変わったようにダメダメになります。
その理由は次です。
スケープゴートを失ったから
人間という生き物は、「自分より下だと思える人間」を常に欲して生きています。
SNSなんか見てても酷いですよね。
私が言いたいのは、「人間の習性は基本的に超残酷(な面もある)」なんだよってことなんです。
※もちろん、これは人間のほんの一面に過ぎないことも事実です。人間には残酷な面だけではなく、美しい面もたくさんありますよね。
このことに対して私たちは、「人を変えよう」とするのではなく、「人の習性を知ろう」とする方向に力を注ぐべきです。
想像してみてください。
あなたのSNSアカウントが大炎上しています。
炎上させている側に向かって「お前らのやっていることは醜い!性根を変えた方が良いぞ!」
なんて言って、事態は改善しますか?ということです。
きっと、更に炎上するはずです。
それが人間の心理・習性です。良いも悪いもありません。理解しているか理解していないかの問題です。